生活自立支援窓口くらしのサポートステーション くらサポカード
「くらしのサポートステーション」のカードのデザインを担当させていただきました。
「くらしのサポートステーション」は、経済面、生活面で様々な不安や課題を抱えた方やそのご家族の相談にのり、課題を整理して、利用できる制度につなぐなどの支援を行う、杉並区の生活自立支援窓口です。
そのサービスを周知するカードをリニューアルしたいということでお声かけいただきました。
リニューアル前のカードの課題として、
・「具体的で直接的なワードが並んでいて、分かりやすい反面スティグマを生んでしまう」
・「同じ理由で、子ども食堂などでスタッフが心配な家族にカードを渡しにくい」
・「相談する敷居が高くなってしまっている」
ことがあるので、
リニューアルするにあたり、
・「デザインを一新して手に取りやすくしたい」
・「手渡ししやすくしたい」
・「言葉は少なくして、イラストなどで手に取りやすいデザインにしたい」
という要望をいただきました。
ですので、カードをデザインする際に、「誰でも手に取りやすい」「持ってても恥ずかしくない」「極論、子どもたちみんなが欲しがるくらいのものを目指す」ことを念頭において、デザインしました。
深刻さを感じるデザインにしたくなかったので、くらしのサポートステーションの広報誌などで使用されていた「くらサポ」という呼び方を前面に出し、短く簡単に説明するコピーを添えて提案させていただきました。
「くらサポ」やイラストは緩くて親しみやすいタッチにしました。
決定した案では、転んだら自分で起き上がる「おきあがりこぼし」が「人」の字のように支えあっているイラストにしました。人は誰でも辛くなったら、誰かに話を聞いてもらうなど、頼ったり頼られたりして支え合って生活しているもの。自分で起き上がっているように見える人でも、支えあっているのが人ってものである、ということをイメージしてデザインしました。
これは「自立とは依存先を増やすこと」という熊谷晋一郎さんの言葉に、以前から感銘を受けていたのでできたデザインです。
リニューアル後の反響はとても良いとのことで、このカードが困りごとを抱えた方の生活の改善の役に立つよう、今後とも注目していきたいと思います。