デザインに苦手意識がある福祉関係者向け【まずはこれだけ!押さえておきたいフォントの選び方2ステップ】
「フォントってどうやって選べばいいんですか?」と、たまに質問されることがあります。その時に答えている、「まずはここから考えるといいと思います。」ということをまとめて、2ステップに分けてご紹介したいと思います。
これを読むと、「なんとなく」ではないフォント選びができるようになると思います。参考にしていただけると嬉しいです!
【ステップ1】 作るものの目的を整理する
フォントを決める時に、「かわいいから」「かっこいいから」と、理由なくなんとなくで選んでいないでしょうか?チラシにせよ、SNSのバナーにせよ、何かをデザインしているということは、その先に誰かに何かを伝えたいという目的があるはずです。
デザインするものがどんな人に何を伝えようとしているのか。
● どんな人に何を伝えたいのか
● どう思って欲しいのか
● 何をして欲しいのか
あらゆるデザインすべてに共通することですが、フォントを選ぶときも、まずはここを整理してから始めるのがオススメです。デザインする目的が決まっていると、フォントを選ぶときに指針にできます。
例えば、イベント告知、商品プロモーション、情報提供などを、どんな人に向けて行うのか?その目的と相手によって選ぶべきフォントは異なります。
子供向けのイベントなら遊び心のあるフォントが適しているけど、ビジネスセミナーの場合はシンプルで堅実なフォントが適しているかもしれない。というのはイメージしやすいと思います。
ですが、子供に関する情報を親に読んでほしいとなったら?ビジネスセミナーを「子供のように遊び心を持つのが大事」というテーマでやるとしたら?選ぶべきフォントは変わってくるかもしれません。
絶対これ!という正解はありません。
目的と相手によって答えは変わってくるからです。
まずは目的をなるべく整理してみてください。
可能であれば、その届けたい相手に合致する知り合いを想定できると、その人がどうすれば読んでくれるかな?と具体的にイメージしやすくなります。フォントを選ぶ時に、多くの人が無意識にやっている作業だと思いますが、目的がはっきりしていると、より自信を持って選ぶことができるようになります。
そこが整理できると、ただなんとなく選ぶのではなく、「理由のある」なんとなく選ぶ、ができるようになります。
【ステップ2】 どんなふうに話しかけたら伝わるか考える
目的と見て欲しい相手を整理したら、次はどんな雰囲気のデザインにしたら、目的が相手の人に伝わるのか検討します。
フォントはよく声色に例えられます。
例えば、道を歩いている人に声をかけるとします。子どもに声をかけるなら、どんな声色で、どんなスピードで、どんなふうに話しかけたら立ち止まってくれそうでしょうか?それがビジネスマンだったらどうでしょうか?親子だったらどう声をかけたら良さそうですか?
低い重厚感のある声?子どもの好きなアニメのような高い声?ニュース原稿を読むアナウンサーのような聞き取りやすい声?大きい声?小さい声?ささやくような声?
さらにペースは、ゆっくり?テンポよく?大袈裟に明るく?テンション高く?そっと寄り添うように?
そんなことを考えてみてください。
漫画の吹き出しのフォントに違いをイメージするとわかりやすいかも知れません。
こんなふうに並べると、フォントによって声色(個性)がまったく違うことがわかると思います。
全然別の声で話してるみたいに見えませんか?声を出して読むとしたら、全然違う声を出したくなると思います。
さらに、もしデザインする時に使用しているアプリが、文字間や行間を調整できるものであれば、話すペース、リズムもイメージするとさらにいいと思います。
文字間・行間は話すペース、リズムに例えられます。
文字間が詰まっていると早口に畳み掛けているような圧を感じる印象になりますし、ゆったり文字間を広めにとると、ゆっくり余裕を持って話しているような感じになります。
伝えたい目的と相手の人のことを考えて、どんな口調で話しかけたらその人が興味を持ってくれそうか?と考えると、そのイメージに近いフォントを選びやすくなります。
【まとめ】
以上の2ステップを考えるだけで、目的に沿ったフォントを選びやすくなります。
2つのステップを踏まえて、フォントを選んでみてください。
特にステップ1の、目的と誰に伝えるように作るかを整理すると、色なども考えやすくなり、より狙いにあったデザインがしやすくなります。
よろしければ色についてのブログもあるので併せてお読みください!
デザインしなきゃいけないけど色がうまく使えない!と感じる人向け 【色の決め方3ステップ】
以前はたくさんのフォントの中から選びたいと思うと、高いお金を出してフォントを購入しなければいけませんでしたが、最近はGoogleフォントや、Adobe creative cloudに登録(有料)すれば追加料金なしで使えるAdobe Fonts など、無料でたくさんのフォントを選べるようになりました。
canvaなんかも、無料使用の範囲内でも多くのフォントを選ぶことができるので、すごいなーと思います。
フリーフォントも検索すると、フォントの使用許可範囲や違法なものではないかのチェックは必要ですが、膨大な量が出てきます。お金を払わなくてもたくさんのフォントが選べて、いいものを探すのも大変だなと思います。
僕は今でもデザイン業界では定番のフォントを多く扱っている「モリサワフォント」を契約してメインで使用させていただいておりますが、そこから選ぶときでも上の2ステップは必ず意識しています。
無目的になんとなく見ていると、すぐに時間が経ってしまいますが、2ステップを意識すると、限られた時間で目的にあったフォントを見つけやすくなると思うので、ぜひ意識してみてください!
あと、目的次第では、フォントから選ぶのではなく、ご自身の手書きの文字を使うという選択肢を検討しても面白いと思います!
最後まで読んでいただきありがとうございました。
他のブログも、時間をかけて(かかってしまって?)書いているので、是非読んでいただけると嬉しいです!